農作業

麦 開始!

自然栽培でつくった小麦がとてもおいしかったので師匠に「小麦やらないのですか?」ときくと「俺はやらない」とのこと。日本人ならパンより米、栽培風土が湿気のある日本には合わない、そもそも時期的に手が回らないなど理由は色々など。しかし私がやるならいいよとのことで勉強もかねて4畝ほどやらせてもらえることになりました。今までは野菜ばかりなので穀物は一からの勉強です。
麦は野菜と違って収穫しても保存がききますし、パン、麺、ケーキなどなど加工すればあらゆる食べ物の土台となります。しかも作物としては強く、アレロパシー効果があり雑草も生えにくい。日本は小麦の大部分を国策として輸入にたよっている訳ですが、輸入小麦はその輸送過程でカビ発生の危険からポストハーベストなる防腐剤をかけているのものも少なくないそうです。それが様々な疾患などの原因になっているという噂も。その点国産のしかも無農薬で育てる小麦はその心配はなくメリットがあります。なので「どうしてみんなやらないのだろう」といろいろ調べてみると分かってきました。おそらくそれは…儲からないから。やはり米や小麦、豆などの穀物は人間の主食なので量をやらないと話にならないのです。それも一反なんて面積ではなく何十ヘクタールやってやっと経営がなりたつかなりたたないかの世界。そもそも小麦なんてものはアメリカやオーストラリアの超大規模農家が大量につくったものが大量に船にのってやってくるのであり規模が比べ物になりません。ちなみに無農薬自然栽培の小麦がネット販売で800円/キロ。(ちなみに市販のものが300円/キロなので2倍以上!)仮にこの金額売れたとしても一反あたり利益は7万円ぐらいです。種撒いて、麦踏みして、除草して、収穫して、脱穀して、製粉してパッキングして1年かけて7万円…(実際機材などを導入したら赤字!)決して儲けようとして農業を勉強しているわけではないのですがあまりの儲からなさに愕然とします。
いかすの内田さんにもご意見を伺ったところ「ビジネスとしては全く儲かりませんねぇ〜けれど……  豊かになれますよ」とのこと。ハッとしました。「豊か!」そうなんです。私がそもそも農の世界に飛び込んだのはお金ではないなにかを感じたわけです。現在はプロ農家というわけでもなく二足のワラジを履いているわけで、穀物をやるなら逆に今しかないということになります。

休日だったので家族に手伝ってもらい玄麦を撒く。30cm間隔のスジ撒き。手作業だとなかなか時間がかかります。

堆肥づくりの基本にC/N比というのがあります。Cは炭素のことで短期的には栄養になりにくいが分解されることで土を良くするもの。Nが窒素のことで作物の即栄養となるもの。栽培ではとかく窒素が大事なので窒素を安易に入れてしまうことが多々ありますが、こうすると野菜にエグミの原因になったり虫にやられやすくなります。この配合をうまく調整することが土を豊かにするコツ。この考えと一緒で人生にもC/N比なるものが存在するのかなと思ったりします。Cは効率よくお金になること。Nはお金にはならないが長期的に人生を豊かにしてくれるもの。毎日の生活の糧となるお金ももちろん大事ですがそればっかり追うと人間さもしくなります。これからは人生のC/N比を考え、速攻性のあるものばかりをもとめるのではなく「豊かさ」の軸ももちたいな〜などと思います。その意味では小麦を育てるってのは「豊かさ」以外なにものでもない気がします。早速本日娘と麦をまいてきました。来年実る黄金の穂をイメージし娘と一緒に播種した畑を眺める。「豊かだな〜」と秋の夕日にそまった畑をみて思いました。

娘と麦をまくなんて死ぬ前の走馬灯のときでてくるだろうななんておもったりして




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