育苗真っ最中です。昨年の酷暑を考えると、今年は早めの定植をしようと思っています。果菜類(ナス、トマト、きゅうり、かぼちゃ) などは通常ゴールデンウィークに植えるのがセオリーですが、今年は4月の中旬ぐらいに定植し収穫を前倒しにして暑さに備えようと思っています。
畑まで車でだいたい30分ちょいかかるので、空動扇などに頼りすこしサボろうかと思っていたのですが、実際苗を育て始めると発芽確認、温度管理、換気、水やりなどなど一瞬の気も許せません。結局毎朝9時から夕方4時くらいまで畑にいっています。畑に行ってひととおり育苗まわりの作業を終えると結構暇です。はじめはどうやって暇をつぶそうか?などと思っていたのですが、毎日畑に通うと意外や意外この余剰時間が結構勉強になります。日々日の昇る方角が変わっていること、畑にも陽の当たる場所とそうでないところのムラがある、温度計をもってトンネル内の温度を図る、すき込んだ草が徐々に土に変わっていく様、最近になり徐々に虫が現れ始める、カラスと鷹の喧嘩などなど。畑のなかでも本当にいろいろなことが日々起こっています。

以前誰かがamazonなどネットで直接本を買える時代に実店舗の本屋の意義について書いていたものがあります。本屋にいくと人はぶらりと歩き回る。その過程で自分が接するはずもない本に巡り会える。自分が意図しない情報が入手できる。それが本屋の意義であると。効率から考えると、人のニーズにピンポイントでアクセスできるインターネットは素晴らしいですが、しかし結構馬鹿にできないのは自分が意図していなかった情報。それこそが人を豊かにするのではないかと。たしかに自分の狭い頭のなかで考えることは限られています。自分の頭の外には広い現実の世界が広がり、そこから自分がどんな情報を得られるのか?ちょっと哲学的ではありますが視野をもっと広くすることはとても大切だと思います。仮に農業などやっていなければ眼の前にある風景は単なる畑としかおもわないのですが、ここで「自然のチカラをかりて健全な栽培をするには?」という問いが自分にあるだけで、単なる畑の風景は分解され、いろいろな情報として自分の中にはいってくるから不思議です。タイパやコスパばかりもとめていては決してたどり着けない体験。育苗の余剰時間が与えてくれた副産物として大切にしたいなと思います。